不動産担保ローンの利用を決めたら、次は不動産担保ローンを取り扱っている金融会社探しに入ります。不動産担保ローンは比較的大きな額の融資を受けることが多いので、少しの金利の差でも、返済額の差は意外と大きくなります。
できるだけ有利な条件を提示している金融会社を探すのはもちろんですが、事実とは異なる甘い言葉にはご用心。不動産担保ローンは、安心を最優先に考えて、選びましょう。
“おとり表現”とは、「絶対に貸します!」「即日、融資します!」「他店利用者歓迎!」といった金融業者の過大な呼び文句のこと。しっかりとした金融会社は、借主がきちんと返済できるかどうか、十分に審査したうえで、融資をおこないます。
“おとり表現”に見られるような条件は、借主がきちんと返済できるかどうかを度外視した融資の可能性があるのです。返済できなかったときに、一番大変な思いをするのは借りた本人です。審査に対する不安、資金を急いで調達しなければならない事情などに、つけこまれないように気をつけましょう。
金融会社を選ぶときには、まず、この2点をチェックしましょう
「○○財務局長(3)第12345号」「○○○知事(2)12345号」といった表示を見たことはありませんか?
複数の都道府県に営業所を構える貸金業者は管轄の財務局長の、ひとつの都道府県内に営業所をもつ貸金業者は各都道府県知事の登録を受けることが、法律で義務づけられています。合法的な貸金業者は、上記いずれかの登録番号をもっていることになります。登録の更新は3年ごと。登録業者かどうかというのは、信頼できる金融会社を選ぶ際の、ひとつの目安となります。
ただし、登録番号を偽る登録詐称業者もいますので、確かに登録業者か、事前に、確認したいものです。登録業者かどうかは、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で調べることができます。
また、登録番号を詐称している業者のリストも公開されています(違法な金融業者に関する情報について)。
「不動産ローン.com」の金融会社検索(借入先を探す)では、登録貸金業者のみを掲載しています。
⇒金融会社検索(借入先を探す)へ
金利は、「出資法」で、29.2%を上限と定められており、それ以上の金利は違法となります。29.2%以上の金利で融資を行う業者は、いわゆる“闇金(ヤミ金)”。違法な貸金業者ということになります。違法な貸金業者からは、決して融資を受けないように気をつけましょう。
また、万が一、融資を受けてしまった場合も、29.2%以上の金利は支払う義務がありません。すぐに、弁護士、司法書士、救済機関の窓口などに相談しましょう。
⇒ローントラブルを解決する>救済機関一覧
⇒グレーゾーン金利って何?
ひとくちに不動産担保ローンといっても、金融会社によってさまざまな条件の商品が用意されています。また、借りる側の事情も、それぞれでしょう。以下のチェックポイントを参考に、候補を数社に絞ったら、実際に問い合わせてみるのが、一番の早道です。
不動産担保ローンは比較的高額の融資を受ける場合が多いので、少しの金利の差でも、返済額に大きな差が生まれることがあります。もちろん低金利であるに越したことはないのですが、相場から大きくはずれる低金利をうたっている場合、違法業者であったり、何らかの事情があったりすることも考えられますので、注意しましょう。
また、金利の数字だけではなく、固定金利か変動金利かということも重要なポイントです。固定金利は、返済期間中、金利が変わらないもので、変動金利は、一定期間ごとに、市場の動向を反映して変更されます。契約時に変動金利のほうが固定金利よりも低くても、景気やマーケットの成り行きによっては、今後、固定金利よりも金利が高くなる可能性があります。また、その逆も同様です。専門家であっても、金利の先行きを正確に予測することはできません。自分で納得のいく金利を選んで、しっかりと返済計画を立てていきましょう。
不動産担保ローンの融資金額は、通常、数十万円~数億円まで、金融会社により異なります。また、金融会社によって審査の方法にも差があり、同じ借主、同じ担保物件でも、審査のおりる融資金額が異なる場合がありますので、あらかじめ各金融会社Webサイト上の「無料審査」などを利用して、数社から査定をしてもらい、比較検討することをおすすめします。
ただし、審査がおりた場合も、借りられる限度まで借りたのでは、返済も大変です。「借りるのは必要最低限の額」という原則をお忘れなく。
不動産担保ローンは、急な資金調達に便利な金融商品です。資金調達のタイムリミットがある場合は、審査にかかる日数、また契約から融資実行までにかかる時間などを、前もって確認しておきましょう。
担保は大きく物的担保と人的担保の2種類にわかれます。物的担保はこの場合、不動産に設定される抵当権、根抵当権、質権などのことです。建物を担保にする場合、火災保険に質権が設定されることもあります。
人的担保は、保証人、連帯保証人などのこと。不動産担保ローンは、不動産を担保とするので、原則として保証人、連帯保証人を立てる必要がないものも多いようです。第三者の所有する不動産を担保にして融資を受けることができる金融商品もありますが、この場合は、不動産の所有者を保証人、連帯保証人に立てる必要があります。担保の種類も、直接、金融会社に確認すべき点です。
返済方法には、元金均等返済、元利均等返済、ボーナス併用返済、自由返済、一括返済、利息払い元金一括返済など、さまざまな種類があります。また、返済期間も重要なポイントです。不動産担保ローンは、基本的に返済期間を住宅ローン並みに長く設定することも可能ですが、金融会社やプランによって異なりますので、確認しておきましょう。あらかじめ、「返済シミュレーション」でだいたいの目安をたてておくのもよいでしょう。
未成年はもちろん、高齢者の場合、融資対象年齢に制限を設けている金融会社もあります。また、遅延損害金、中途解約や契約期間延長などの手続きがとれるかなど、返済計画を変更せざるを得なくなったときのことについても、前もって知っておく必要があります